デジタル教材の、やってはいけない共通点

iPadなどのタブレット端末が普及し、学校でもデジタル教科書の取扱が話題になっています。

家庭用にもさまざまなデジタル教材、アプリが出ていますがこれらはどれぐらい有用なのでしょうか?

 

デジタルだと音や映像が出て分かりやすそうですし、

子供も喜んで使うので良さそうですね。

 

・・・・が、実は

私の手元にはデジタル教材の効果に否定的なデータが集まってきています。

 

まず、ディスプレイより紙の方が注意力理解力が高まるということ。

いろいろな実験がありますし、その理由は諸説あるのですが

どうやら、ディスプレイの透過光だと脳が受動的になり、

紙の反射光だと脳が能動的になるというのが有力な説のようです。

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※画像引用元 カッシーのWebる。なぜ印刷したほうがミスに気づきやすいのか?透過光と反射光の使い分け。

 

実体験でも納得できることがあり、

例えばプログラマーのようなパソコンに精通して使いこなしている人でも

熟読すべき資料はわざわざプリントアウトしてから読みますし、

CGデザイナーでも紙に下書きをしてからデジタルで仕上げる人がたくさんいます。

このあたりはまだ研究途中とは言え、「紙」には何か秘密がありそうです。

 

また、友人の学習塾で、英語の単語を憶えるのに

紙の単語帳と任天堂DSの単語ソフトでどちらが成績に貢献するのか

効果測定を行ったそうです。

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結果は、DSの負け。

生徒のやる気は、むしろDSの方が勝っていたそうですが、それが結果には結びつかなかったようです。

 

これを聞いて、私はいくつかのデジタル教材やアプリを分析して

何がいけなかったのか調査してみました。

すると、デジタル教材には、とあるやっては「いけない共通点」があったのです

 

音や映像が出てくるのは、やはり紙ではできない大きなメリットですね。

英語はネイティブの発音がぜひ欲しいですし、

理科や算数数学の複雑な説明も

映像だと分かりやすくなることがあります。

 

ただ、それだけではカセットテープやビデオテープの時代と変わらないので

デジタル時代ならではの目玉機能をつけないと

 

・・・と、これらの教材の開発者は考えたのでしょう。

つけてはいけない機能をつけてしまいました。

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それは、自動採点機能

 

コンピュータが自動で丸をつけてくれたり

得点計算をしてくれたり

最近では、AIが苦手分野を特定して解くべき問題を自動で選んでくれたりします。

 

コンピュータの方が採点が正確ですし

答えてから即、正解不正解が分かって子供は楽しそうなので

よい機能に見えますが、

これは成績を下げる方向に働きます

 

答え合わせ能力の低い小学校低学年であれば

ある程度有用なのかもしれませんが、

そもそもこの「答え合わせ能力」は、伸ばす必要がある能力です。

 

まず自分の回答と正答例を見比べて、採点基準を考えて正誤判断をすること。

もし間違えていたら、間違えた理由を分析して改善につなげること。

問題を読み違えたのか、知識が不足していたのか、

計算ミスなのか、回答形式が違うのか・・・etc

それを防ぐにはどうすればいいのか。

このサイクルがいわゆる成績アップにつながるのであって、

答え合わせ中がもっとも勉強が身につく時間と言っても過言ではありません。

 

自動採点では、この一番勉強が身につく時間を奪ってしまうのです。

 

また、テストで高得点を取ろうとすると自分の回答を「見直し」することが必須になりますが

自動採点では見直しする時間もとられなくなります。

テストに弱くなっていくわけですね。

 

苦手分野の特定も、機械的に行うのは危険な場合があります。

例えば、理科の電流で正答率が低い原因は

電流の理解度が低いのではなくて

少数の割り算が苦手なのかもしれません。

 

今回は、別にデジタル教材をディスるわけではないのですが

「答え合わせ」「丸つけ」は非常に大事な勉強のプロセスですよ、という話でした。

勉強時間を劇的に削減する3つの極意 その3【出題者を理解する】

極意その3 出題者を理解する

 

成績を上げたかったら、教科の勉強するのはやめましょう。

 

おかしなことに聞こえるかもしれませんが、これは本当です。

教科をいくら勉強しても、成績はたいしてあがりません。

代わりに、「出題者」の勉強をしてください。

 

いわゆる成績が良い人、難関校に合格した人が共通して口にするのは

「テストに出るところは出るし、出ないところはでない」

ということです。ですので、テストに出るところを勉強すれば成績が上がります。

合格もします。

 

ところが、普通の人がこの言葉を聞くと、「ヤマ」をはることと勘違いしてしまうようです。

どういうことかというと、歴史の定期テストを例にとってみます。

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テスト範囲が

・奈良時代の文化

・平安時代の摂関政治

・平安時代の仏教

だったとすると、少ない時間で勉強するために

「平安時代の摂関政治にかける!」とか

「奈良時代の文化は捨てる!」とかして勉強範囲を減らそうとします。

 

この作戦は絶対に成功しません。

 

なぜなら、このような定期テストでは

「全範囲からまんべんなく出題する」というのがほとんどのケースだからです。

どこかの単元にヤマをはったら、仮にその単元が満点でも30点しかとれません。

では代わりに何を考えるべきかというと、

・重要なポイントはどこにあるか?

(藤原氏の家系図にはたくさんの名前があるが、重要人物は誰なのか?など)

・出題形式はどのようなものか?

(年号を憶える必要はあるのか?人名地名を漢字で書く必要があるのか?など)

・難易度はどのくらいの設定か?

(テスト範囲問題集そのままが出るのか、応用問題がでるのか?など)

といった、出題者の傾向です。

 

実は、ほとんどの学校の先生は、生徒にいい点を取ってもらいたいと思っているので

「ここが重要だよ」とか「ここを憶えておくように」とか

授業中にネタばらしをしています。

自作のプリントで授業をする先生であれば

テストもプリントの形式に沿ったものであることが多いですし、

問題集がテスト範囲に指定されていれば、まったく同じ問題が出ることも多いです。

 

言い換えると、

テストとは先生が教えたいことをこめたメッセージなのです。

 

最善のテスト対策は、

「先生の話を聴いて何を伝えたいのか分かってあげること」になります。

 

ここまでは定期テストの例をあげましたが、

入試試験でも同じことが言えます。

 

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なぜ入試試験が存在するのか?

それは形式がペーパーテストでも面接でも論文でも同じです。

「うちの学校にはこういう生徒に来てもらいたい」という表明。

 

新しく入ってくるであろう生徒に、

計算力を求めているのか?読解力を求めているのか?

知識量を求めているのか?独創性を求めているのか?

何を求めているかは学校によって違いますが

その求めているものを分かってあげれば勉強時間は劇的に少なくなります。

 

例えば、東大の英語の入試問題では

文法問題や難しい単語がほとんどでてきません。かわりに、長文が非常に長いです。

東大の先生たちは、受験生に

文法や単語の知識よりも読解能力を求めているわけです。

だから、東大入試において細かい英文法の勉強は必要ありません。

これだけで、勉強すべき事項は大きく削減できます。

 

「出題者を理解する」ことについてはこちらの記事でも深掘りしています。

テスト問題を予想する超能力者

勉強時間を劇的に削減する3つの極意 その2【どうやって憶えないか】

極意その2 どうやって憶えないか

「どうやったらたくさん憶えることができますか?」
「うちの子はもの憶えが悪くて、どうすれば記憶力がよくなりますか?」

よく、そんな質問をいただきます。
一度憶えたことを忘れない方法があれば、
勉強はものすごく楽になり
成績もグングン上がるに違いありません。

ここで、このような悩みを解決するコツを教えようと思います。
それは、
「どうやって憶えないか」
です。

もう一度書きます。
勉強のコツは
「どうやって憶えないか」
決して、「どうやって憶えるか」ではありません。
どうも、勉強とは暗記することであり
成績がよい人とは、記憶力が良い人と思われているようです。

「日本の学校教育は暗記中心で考える力が育たない」という批判をよく聞きますが、
学校の勉強の攻略方法は暗記だと思われていることの証でしょう。
効果的な勉強法として宣伝されているのも、いわゆる暗記術が多いです。

しかし、勉強や受験とは、実際は暗記力を競うゲームではありません。むしろ逆。

勉強は暗記力ゲームだと思っているから成績が伸びないのです。
そもそも、人間の頭は記憶が得意ではありません。

昨日の夕ご飯は何を食べましたか?
一昨日は?
先週の木曜日は?

昨日のことでも、憶えているのは半分ぐらいと言われています。
1週間経てば、8割から9割のことを忘れています。
これは個人差があるわけでなく、神様が人間をそのように創ったのです。
文字やコンピュータが発明された以上、今後人間の記憶力が進化することもないでしょう。

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「どうやって憶えるか」に注力するのは、
逆立ちで100m走に出走するようなものです。
人間の両手は走るために創られていません。
無理にチャレンジすれば、難易度が跳ね上がります。
不可能ではないし、できれば面白いかもしれませんが
おとなしく足で走るのが普通でしょう。
「どうやって憶えないか」とは、
憶えるべきことを可能な限り圧縮し、
人間の頭脳の得意分野で勝負しようということです。

例えば、高校の物理について言えば
三年間で必要な公式はA4一枚の紙に収まります。

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この量ならば、テストの前10分間で復習することが可能です。
そして、テスト時間の60分とか90分なら人間は憶えていられます。

つまり、物理に関しては暗記はまったく不要です。
但し、公式をA4一枚にまとめるという下準備に注力しなければいけません。
私は数学の公式を暗記する自信がまったくなかったので、
テストではどうしていたかというと
やはりテスト前10分間にテスト範囲で必要な公式を復習し
テストが始まると真っ先に、自分の名前より先に
その公式を問題用紙の裏に書いていました。
で、必要に応じてその公式を参照するわけです。
これはカンニングでもなんでもない、ルールに則った戦術です。

但しこれも、テスト範囲に必要な公式を特定するという下準備が必要です。
地理や歴史だとそこまで圧縮するのは難しいですが、
それでも、本当に必要な知識をどこまで絞るか
というのが高得点のコツです。

例えば、日本史の年表のどの年号を憶えて、どの年号を憶えないのか。
その判断は一筋縄ではいかないかもしれませんが
このようなことを考えるのは歴史の本質的な理解にもつながります。
平安京遷都と奈良の大仏建立はどちらが日本史上重要なのか?
あるいは両方とも憶える必要があるのか?
そう悩んだ事自体が学力向上になると言っていいでしょう。
「どうやって憶えないか」に注力してみてください。

 

 

勉強時間を劇的に削減する3つの極意 その1【ゴールから始める】

極意その1 ゴールから始める

電車や自動車に乗る時、たいていは目的地があるはずです。

学校に行きたい、会社に行きたい、映画館に行きたいetc.

もしも電車で映画館に行きたいのなら、まずは映画館の最寄り駅を探します。

そして、その最寄り駅につながる電車に乗ります。電車に乗ってから目的地を考える人はまずいません。

 

ところが勉強に関しては、みんな何故か

目的地を確認しないまま勉強を始めるのです。

 

勉強に関してよく聞く悩みがあります。

何から勉強したらいいか分からない」とか

勉強しても成績が上がらない」とか。

 

これは、

どの電車に乗ればいいか分からない

電車に乗っても目的地に着かない」と言っているのと同じことです。

学校に行きたいのか映画館に行きたいのか決めないと、どの電車に乗ればいいか分かりません。学校行きの電車に乗れば学校に着きます。映画館には着きません。

反対方向の電車に乗っている限りは、絶対に目的地には着かないのです。

 

勉強でも同じこと。まずは目的地(ゴール)を決めて、そこにたどり着く道筋を探すところから始めましょう。

 

「東大の受かり方」とは?

例として、東大受験において「ゴールから始める」を使ってみます。

東大に受かる方法は?と聞くと、

「たくさん勉強する」とか「偏差値を上げる」みたいな答えが返ってきますが、

これは、東京から札幌に向かうのに「新幹線に乗る」とか「グリーン車に乗る」と言っているようなものです。乗ったのが大阪行きの新幹線やグリーンでは札幌に着きません。一方、札幌に向かうのであれば飛行機でも自動車でも船でもいいのです。

実は、東大の受かり方というのは公開されています。

 

なんと、東大のホームページに掲載されているのです。

 

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平成28年の理科一類でいうと、第1段階選抜(いわゆるセンター足切り)で900点中728点を取り、第2次学力試験で550点中328点をとれば合格です。

第2次学力試験はセンターの900点が110点に圧縮して加算されていますので、センターも最低点の728点だったすると 728×110÷900≒89 点分がセンターでの得点になり、実際の2次試験では440点満点中239点をとれば合格です。

センターの得点率80.8%、2次試験の得点率54.3%で東大合格ということです!

意外と低いラインですよね。

 

さらに言えば、実はこの合格ラインの得点率は毎年安定しているのです。

img_0675※教学社の赤本より

理科三類を別格とすると、文科一類・文科二類・文科三類・理科一類・理科二類いずれも

センター8割、2次6割

前後が合格ラインになっています。第一段階選抜はもっと緩いときも多いです。この表は2012年からですが、私が受験した1999年度から10年ぐらい遡ってもこの数字は安定していました。

つまりは、センター8割、2次6割というのが東大合格のゴールになります。

 

次に調べるべきは、どんな問題で上記の得点を取ればいいのかということ。

これもまた、過去問として世に公開されています。

「東大って難しいのでしょう」という人は100%、この過去問を見たことすらありません。

映画館の場所も知らないのに「映画館って遠いのでしょう」と言っている人と同じです。

 

では、実際に過去問を調べると何が起こるのか。

 

「何を勉強すればいいか分からない」代表例である現代文をみてみましょう。

 

ここでは詳細を語りませんが、実は東大の現代文では、

設問が2パターンしかありません

その2パターンさえ対策すればよいわけです。

正確には漢字問題もありますが、どんな漢字が出題されるかというと・・・

 

(こうりつ)効率  (ちつじょ)秩序  (こうかん)交換 (2012年度)

 

拍子抜けするほど簡単ではないでしょうか?

世の人の殆どは、ゴールを確認することなく勝手に「難しい」とか「分からない」とか言っているのです。

ゴールから始める

これだけで、道のりはグンと縮まるのです。

日本人が苦手な英語をしゃべれるようになる、たった1つの方法

英語を苦手と感じている日本人は多いです。

小学校や中学校のときから始めて、大学まで10年以上学んでいるのにやっぱりしゃべれない。

意識の高い人は、通勤途中にリスニング教材を毎日聴いていたりしますが、なかなか身につかない。

 

だから、子供には英語で苦労させたくないと思い、頭や耳が柔軟と言われる小さなころから英会話学校に通わせたりします。

これからも、英語の必要性が高まることはあっても不必要になる時代はまず来ないでしょう。(自動翻訳の発達とか、もしかしたらあるかもしれませんが。)

だから文部科学省も英語教育に本腰を入れ、小学校から英語必修化が始まっています。

 

やはり、日本人の英語力を上げる決めては早期教育なのでしょうか。

 

 

・・・ここでちょっと待って欲しいのです。

実は、「英語がしゃべれない」と言っている多くの日本人が陥っている落とし穴は別にあるのです。

 

ここで、話題を変えてピアノにしてみましょう。

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「私、ピアノが弾けないのです。」

 

もしこう言う人がいたとしたら(ちなみに、私はピアノを弾けません)その理由は明らかですよね。

 

それは、ピアノを弾いていないからです。

 

ピアノを毎日弾けば、絶対にそこそこ弾けるようになります。

決して、日本人はピアノに向いていないとか文部科学省の音楽教育が悪いとかいう話にはなりません。

ところが、英語に関してはこういう議論になってしまうのです。

 

もっと言えば、英語をしゃべれるようになりたいと思う人がリスニングを頑張るのもピアノで考えると不思議なことです。

ピアノのCDを毎日聴いていたら、ピアノは上手になるでしょうか?

そう考えている人がいたら「バカか」と言いたくなりますが、英語に関してはそんなバカな考えを持っているのです。

もちろん、全く知らない曲はCDなどの音源を聴いてからの方が練習しやすいですし、ある程度上手になってからはトップピアニストの表現を参考にするのは非常に有益です。

同じように、英語のCDを聴いて参考にするのはそれなりに有益だと思いますが、ピアノが上達するのはピアノを弾いたときであるように、

英語が上達するのは英語をしゃべったときです。

 

ここまで話しても、「それはそうだけど、そもそも英語がしゃべれないんですよ」という人がいます。

日本の英語教育では、読む・書く・聞く・話すの4技能を学ぶことになっていますが、どうも

読む→書く→聞く→話す という順番でできるようになると思っている人が多いようです。

「辞書を使って読むのはなんとかできるんだけど、自分で作文するのは難しいし、聞いたり話したりなんてとんでもない!」だからまずは「読む」勉強から始めるというわけです。

 

これも、ピアノで考えるとおかしな話なのです。

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さあ、この譜面を「読める」でしょうか?

 

読めた方と読めなかった方が両方いると思いますが、一つ確かなことは

この譜面を読めた人はこの譜面を弾ける人であるということです。

 

 

これは、実は「ねこふんじゃった」の譜面です。

1.譜面を見て「ねこふんじゃった」と分かる(読む)

2.「ねこふんじゃった」の譜面を書く(書く)

3.「ねこふんじゃった」を聞いて音符が分かる(聞く)

4.「ねこふんじゃった」を弾ける(話す)

どれが一番簡単でしょうか?

 

どれが簡単で難しいということはないですよね。

むしろ、弾く(話す)のが一番簡単なような・・・。

 

 

ところが英語になると

I speak English everyday. という文を

「読めて、書けて、聞けてからじゃないと話せない」と考えてしまうのです。

 

そもそも、言語の始りは文字でなくて話し言葉です。文字がない時代から、人類は会話していました。

18世紀のイギリスではほぼ全員が英語を話していたと思いますが、文字を書けた人は20%程度しかいなかったと言われています。現在でも、文字が読めなくて英語を話せる人は世界中にいっぱいいます。むしろ、読み書きができない人とは学校に通えない教育水準の低い人たちのことで、「読む・書く」は高等技能と言えます。

外国語を練習するなら、本当は「読む・書く」よりも「聞く・話す」から始めた方が自然で簡単なんですよ。

 

では、「聞く」と「話す」はどちらから始めるべきなのでしょう?

私は、話せない言葉は聞き取れないと思っています。

これもピアノと同じで、例えば音を聞いて「ド・ミ・ソの和音だ!」と分かるには、ド・ミ・ソの和音を弾いた経験が必要です。

 

つまりは、英語の勉強をするなら、「話す」が一番最初

上級技だと考える必要はまったくありません。

問題は、学校のテストでは「話す」が少ないので、そのままでは得点に直結しないことぐらいでしょう。

ここについては、別の記事で触れたいと思います。

塾に通うと学校の成績は上がるのか?

え、あたりまえですよね。成績を上げるために塾に通っているのですから・・・

けれど、それは本当に正しいのでしょうか?

 

まず最初に白状しますと、私は学習塾や予備校に通ったことがありません。

学習塾や予備校がいかなるものか知ったのは、大学生になって塾講師等のアルバイトを始めてからです。

通わなかった理由は、ある考えがあったからです。

 

塾に通ってる奴に成績で負けるわけはない

 

これは小学校時代からですが、塾なんかに通ったら成績が下がると思っていたのです。

今思えば極端な考えですね。

が、かなりの部分正しい考えだったことを大きくなってから確信しました。

 

まず、学校の成績はいかにして決まるか検証していきましょう。

成績の付き方は、地域や学校・学年によって、5段階であったり10段階であったり、絶対評価や相対評価であったりしますが、揺るぎない共通点があります。

それは、学校の成績は学校の先生がつける。ということ。

塾の先生や文部科学省の役人がつけることはありません。

 

次に、学校の先生はどのように成績をつけるかというと、ほぼ間違いなく学校のテストによって決めます。わずかに、課題提出率等の指標も併用することがあります。

「ペーパーテストでは測れない生徒の意欲や個性を評価しよう!」みたいな教育論はありますが、実際の教育現場では、先生の主観をなるべく排除する客観的なペーパーテストで成績がつきます。じゃないと、保護者のクレームに対応できないからです。

「テストでクラス1番なのになぜ通知表が3なんだ!」というクレームに対して、客観的な根拠をだせればいいのですが、「授業中にぼんやりしていることが多いので・・・」という返事だと保護者は収まりませんよね。「お前はうちの子の何を見てるんだ!」と言いたくなります。

先生のお気に入りはテストの点数にいい成績がつくという噂もありますが、同じぐらいの点数でどちらかを4、どちらかを3にしないといけない場合など、最後の最後で影響があるぐらいでしょう。これも、保護者のクレームに対応できなくなるからです。

ここでのポイントは、成績はテストの点数で決まるものであって、勉強時間は評価の対象外であるということです。授業態度すら成績に関わるか曖昧なのに、自宅や塾での学習状況を評価に加える先生は絶対にいません。

 

さて、次に考えるべきは、成績を決める学校のテスト問題を作るのは誰か?どのように作られるか?ということです。

もちろん、学校のテスト問題を作っているのは学校の先生です。どのように作るかは、自作したり教科書から採ってきたり市販の問題集を使ったりといくつかパターンが有りますが、ほぼ間違いない共通点は授業中に教えたところから問題を出すということ。授業中にやっていないような応用問題はせいぜい1割程度に抑えるのが普通です。

勘違いされがちですが、多くの学校の先生は生徒に間違えさせようとはしていません。点数を取らせたいと思って問題を作っています。

だからテスト範囲は「教科書○ページから○ページ」みたいに明示しますし、重要ポイントは授業中にしゃべります。

さらに言えば、学校の先生も人間として「自分の話しを聴いてもらいたい」という欲求があるので、自分の話しを聴いていた子にいい成績を取ってもらいたいと思っており、授業をしっかり聴いていた子が点数をとれるように問題を作りがちです。

つまりは、学校の成績というのはほぼ間違いなく、学校の授業をどれだけしっかり聴いて理解しているかによって決まってくるのです。

 

こう考えると、塾のデメリットが浮かび上がってきます。

まずは、進度が必ずしも学校と一致しないこと。学校の算数で「速さ」が出てきてそれでいっぱいいっぱいなのに、さらに塾で「直方体の体積」が始まったら、与えられた情報が多すぎて処理できなくなる可能性があります。むしろ、これらを同時に処理できるのはかなり算数が得意で優秀な子と言えます。算数が苦手な子にはつらいでしょう。

「算数が苦手だから塾に通わせよう」と思ったのに、逆効果になることがあるのです。

 

また、先生によって重要視するポイントが違うことがあります。

例えば、学校の先生は思考プロセスを重要視して、塾の先生は回答スピードを重要視しているような場合。

どちらが正しいということはないのですが、同じような問題でも「塾で教えてもらった解法が学校のテストで使えない」ということがよく起こります。このような場合、一所懸命に勉強したのに結果がでないことになりますね。

 

冒頭の、小学生の私が「塾に通ってる奴に成績で負けるわけはない」と考えた理由はこのあたりにあります。学校の成績アップのみを考えた場合、塾で得られるの不必要な情報は単なるノイズであってむしろ悪影響を与える可能性があります。

その意味では、毎日塾に通うのも毎日ポケモンするのも本質的には変わりません。成績につながらない努力は、やっぱり成績につながらないのです。

 

あ、決して「塾に行くな」と主張している訳ではありませんよ。

受験を考えた場合は話が逆になり、学校の授業だけでは対応できません。

すっかり学校についていけなくなり、抜本的な対策がな場合も有用かもしれません。

「学校の成績を上げるために(目的)」「塾に行こう(手段)」と思ったとき、本当にその目的に対し手段が有効か考えてみましょうという話でした。

何故うちの子はゲームばかりしていて勉強しないのか?と思った時に読む話

「なんでうちの子はゲームばかりしていて勉強しないの?」

世の中のお母さんが非常によくする質問です。

ゲームを取り上げようとか、将来への目標を持たせようとか、色々対策を考えます。

 

でも対策を考える前に、この質問に答えましょう。

実は、非常に明確な答えがあるのです。

 

あるゲーム開発者がこの質問に答えていました。

「お母さんは子供をしかるのに必死になっていませんか?私たちは褒めるのに必死なんです。」

 

そう、ゲームの中では細かく褒められ、ご褒美がもらえます。

敵を一匹倒すごとにお金がもらえるし、新しい街にたどり着けば新しいアイテムが手に入ります。

戦いを繰り返すと自分が強くなり、長い洞窟をクリアする頃には見違えるようになっています。

最近のスマホゲームでは、なんと一日一回ログインするだけでボーナスが貰えます。

 

ゲーム開発者は、こうやって手を変え品を変え、プレイヤーを褒めるのに必死なのです。

 

一方、

「問題を一問解いたんだ!えらい!」

「今日教科書を開いたんだ!すごいね!」

と褒める親はまずいません。

 

代わりに

「学校の宿題は終わったの?」

「またこんな点数をとって!」

と叱るのに一生懸命。

 

ゲームと勉強、どちらを好きになるかこれは明らかです。

 

「なんでうちの子はゲームばかりしていて勉強しないの?」と思ったら

まずは褒めるのに必死になってみませんか。

 

褒める場合のコツは、ゲームにならって

いちいち褒める

ということです。

机についたら褒める、1問解いたら褒める、1行書いたら褒める、1ページ進んだら褒める。

成績が良かったら褒める、成績がいまいちでも褒める。

 

最近のゲームでは、ステージクリアできなくても、罰則がある(怒られる)ことはまずありません。

例え成績が良くなくても、それなりにご褒美がもらえることが多いです。

 

この「いちいち褒める」というコツは、子供が小さいほど、現状勉強ができないほど有効です。中学生高校生ぐらいになったり、ある程度勉強ができるようになってくると

「こんなことでいちいち褒めるなんて、バカにしてるの?」という反応が返ってくるかもしれません。

そのときは、子供の成長を喜びましょう!