「偏差値」が必要ない本当のワケ
受験となると気になるのが学力偏差値です。
中高一貫校から大学まで、学校の序列はいわゆる偏差値ランキングで表されることが多く、
少しでも上のランクの学校に合格するよう努力することになります。
このような、学力や成功を偏差値で測る現状に対し、
「いや、日本の偏差値教育は間違っている!」と批判する人達もいます。
社会に出てからの人の能力は偏差値では測れないので
教育の指標としても不必要であるという主張ですね。
まあ、それはそれでごもっともなのですが、
私が学力偏差値が必要ないと考える理由は別にあります。
学力偏差値とは、例えていうなら温度計です。
部屋においてある温度計なら、室温が正確に分かります。
あるとき、「部屋が寒いな」と感じたとしましょう。
そこで温度計を見たらなんと摂氏0度!寒いわけです。
普通は、暖房を入れて暖かくしようとしますね。
もしここで、温度計をお湯に入れて温めだした人がいたらどうでしょう?
「よし!もう30度だ!暖かくなってきたぞ!」
温度計は確かに30度を指していますが、部屋はまったく寒いままです。
まあ、バカですよね。
ところが、このバカみたいなことを
受験となると当たり前のようにやってしまうのです。
例えば・・・。
○○大学が第一志望のKさん。
予備校でこの○○大学の偏差値ランキングをみると
「偏差値65」と書いてあったとしましょう。
算出する予備校によって多少やり方は違いますが、
より正確には「偏差値65の人の合格確率は50%」というなラインを意味します。
で、模試を受けてみたら自分の偏差値で「40」が返ってきたとします。
すると
「大変だ!偏差値が25も足りない!なんとかして上げないと!」
と、偏差値を上げるための勉強を頑張りだすのです。
これって、部屋が寒いのに温度計を温める人と同じじゃないでしょうか?
そう、問題は、偏差値を上げたところで
本質的な問題である志望校の合格に近づかないことなのです。
○○大学の入試要項を見ても、
「合格条件は偏差値65以上であること」とは絶対に書いてありません。
重要なのは、偏差値を上げることではなくて
合格確率を上げること。
温度計を温めるのではなくて、部屋を暖める必要があります。
もっと怖いことを言いましょう。
偏差値を上げると、志望校に落ちます。
意味が分からないかもしれませんね。
しかしこれは統計上間違いないことなのです。
どういうことか?
「偏差値ランキング65」が意味する
「偏差値65の人の合格確率は50%」
という例でいくと、偏差値が65でも半分の人は不合格になるわけです。
では、どんな半分が不合格になるのでしょう?
途中で気を抜いた人?
本番に弱かった人?
いえ。不合格になるのは
合格のための勉強でなく、偏差値を上げるための勉強をした人です。
暖房を入れなかったので、部屋の温度は全く上がらず寒いままですから。
下手したら凍死してしまいます。
偏差値を気にしだすと、志望校合格に必要な勉強が何か分からなくなるというのが
最大の弊害です。
では、偏差値を上げるための勉強と合格のための勉強は何が違うのでしょうか?
参考記事:勉強時間を劇的に削減する3つの極意 その1【ゴールから始める】
もご覧ください。