勉強時間を劇的に削減する3つの極意 その2【どうやって憶えないか】
極意その2 どうやって憶えないか
「どうやったらたくさん憶えることができますか?」
「うちの子はもの憶えが悪くて、どうすれば記憶力がよくなりますか?」
よく、そんな質問をいただきます。
一度憶えたことを忘れない方法があれば、
勉強はものすごく楽になり
成績もグングン上がるに違いありません。
ここで、このような悩みを解決するコツを教えようと思います。
それは、
「どうやって憶えないか」
です。
もう一度書きます。
勉強のコツは
「どうやって憶えないか」
決して、「どうやって憶えるか」ではありません。
どうも、勉強とは暗記することであり
成績がよい人とは、記憶力が良い人と思われているようです。
「日本の学校教育は暗記中心で考える力が育たない」という批判をよく聞きますが、
学校の勉強の攻略方法は暗記だと思われていることの証でしょう。
効果的な勉強法として宣伝されているのも、いわゆる暗記術が多いです。
しかし、勉強や受験とは、実際は暗記力を競うゲームではありません。むしろ逆。
勉強は暗記力ゲームだと思っているから成績が伸びないのです。
そもそも、人間の頭は記憶が得意ではありません。
昨日の夕ご飯は何を食べましたか?
一昨日は?
先週の木曜日は?
昨日のことでも、憶えているのは半分ぐらいと言われています。
1週間経てば、8割から9割のことを忘れています。
これは個人差があるわけでなく、神様が人間をそのように創ったのです。
文字やコンピュータが発明された以上、今後人間の記憶力が進化することもないでしょう。
「どうやって憶えるか」に注力するのは、
逆立ちで100m走に出走するようなものです。
人間の両手は走るために創られていません。
無理にチャレンジすれば、難易度が跳ね上がります。
不可能ではないし、できれば面白いかもしれませんが
おとなしく足で走るのが普通でしょう。
「どうやって憶えないか」とは、
憶えるべきことを可能な限り圧縮し、
人間の頭脳の得意分野で勝負しようということです。
例えば、高校の物理について言えば
三年間で必要な公式はA4一枚の紙に収まります。
この量ならば、テストの前10分間で復習することが可能です。
そして、テスト時間の60分とか90分なら人間は憶えていられます。
つまり、物理に関しては暗記はまったく不要です。
但し、公式をA4一枚にまとめるという下準備に注力しなければいけません。
私は数学の公式を暗記する自信がまったくなかったので、
テストではどうしていたかというと
やはりテスト前10分間にテスト範囲で必要な公式を復習し
テストが始まると真っ先に、自分の名前より先に
その公式を問題用紙の裏に書いていました。
で、必要に応じてその公式を参照するわけです。
これはカンニングでもなんでもない、ルールに則った戦術です。
但しこれも、テスト範囲に必要な公式を特定するという下準備が必要です。
地理や歴史だとそこまで圧縮するのは難しいですが、
それでも、本当に必要な知識をどこまで絞るか
というのが高得点のコツです。
例えば、日本史の年表のどの年号を憶えて、どの年号を憶えないのか。
その判断は一筋縄ではいかないかもしれませんが
このようなことを考えるのは歴史の本質的な理解にもつながります。
平安京遷都と奈良の大仏建立はどちらが日本史上重要なのか?
あるいは両方とも憶える必要があるのか?
そう悩んだ事自体が学力向上になると言っていいでしょう。
「どうやって憶えないか」に注力してみてください。